相続の準備、何から始める?|親の立場で考える「今できること」

相続3部作 No.3「相続の準備、何から始める?」親の立場で考える「今できること」 その他金融知識

はじめに

ここまでの2本では、「親に相続の話をどう切り出すか」「誰に何を相談すればいいのか」を考えてきました。では、親の側はどうでしょう。

「そろそろ考えたほうがいいとは思うけど、まだ何もしていない」🤔

そんな方は、決して珍しくありません😌調査でも、「特に何もしていない」という人が多数派でした📊

最初から遺言書や相続税のことまで、全部考えなくても大丈夫です🙆まずは、お金をかけずに今日からできることから始めてみましょう🌱

こんな人に読んでほしい

  • 親の立場で、相続の準備をそろそろ考えたい
  • 子どもに何を残せるのか気になっている
  • 相続のことは気になるけれど、何から始めればいいか分からない
  • 老後のお金と相続を一緒に考えると、頭がいっぱいになる
  • 親に準備してほしいけれど、どう伝えればいいか迷っている

子どもの立場の方は、この記事をそのまま親に見せてもらっても構いません🤝

この記事の目的

相続の準備を一気に完成させることではありません。「まず何をすればいい?」という最初の一歩を見つけることです👣

結論:まずは「財産を分ける」より「分かるようにする」

結論:相続の準備は、財産の分け方を決めるより先に、分かるようにする。重要書類を整理する、置き場所を家族に伝える、エンディングノートを書いてみる。この3つからで十分

相続の準備で最初にやりたいのは、財産をどう分けるかを決めることではありません。重要な書類を整理する、置き場所を家族に伝える、エンディングノートを書いてみる。この3つからで十分です✅

2026年5月に全国の18〜79歳を対象に行われた調査「世代別2,000人のリアル『私たちのお金白書』」第1弾で、渡す側(1,418人・複数回答)にこれまでにやった準備を聞いたところ、64.9%が「特に何もしていない」と答えました😮

渡す側(1,418人・複数回答)の64.9%が、これまでにやった準備は「特に何もしていない」と回答。まだ何もしていない人のほうが多く、「もう遅い」ではない

まだ何もしていない人のほうが多いのです👥「準備していないから、もう遅い」と考える必要はありません🙅

最初の3つは、お金をかけずにできる

1.重要書類を整理する

通帳、保険の証書、年金の書類、家や土地の書類など、大事なものがどこにあるのかを、まず自分が分かる状態にします🗂️相続のために特別なことをするというより、「大事なものが散らばっていないか確かめる」くらいの感覚で構いません😊

2.置き場所を家族に伝える

整理したら、「どこにあるか」を家族に伝えておきます。書類そのものを預ける必要はありません。「大事な書類はここにまとめてある」と、場所が分かるようにしておくだけです📍

3.エンディングノートを書いてみる

エンディングノートは、自分に何かあったときに備えて、家族が判断や手続きを進めるのに必要な情報を残しておくノートです。法務省と日本司法書士会連合会も、無料で使えるものを公開しています📖(法務省)

遺言書とは別のものです。遺言書は、誰にどの財産をどれだけ相続させたいかを指定し、その指定に法的な効力を持たせるものです。(法務省)この記事では、遺言書の作り方までは扱いません✋

最初の3つをすでにやった人(渡す側1,418人・複数回答):重要書類の整理7.5%、エンディングノートの準備・検討6.7%、書類の保管場所を家族で共有5.1%。どれも1割に届いていない

同じ調査では、この3つをすでにやった人は、重要書類の整理が7.5%、エンディングノートの準備・検討が6.7%、書類の保管場所を家族で共有が5.1%でした(渡す側1,418人・複数回答)。どれも1割に届いていません📉

「いくら残すか」の前に、自分の老後を見えるようにする

渡す側の心配ごと(1,377人・複数回答):いつ・何から準備すればよいか分からない23.4%、子供にいくら残せるか見通しが立たない22.7%、老後までの支出19.4%、自分の老後資金が足りなくなりそう17.7%

相続というと、「子どもにいくら残せるだろう」と考えがちです💭でも、同じ調査で渡す側(1,377人・複数回答)に心配ごとを聞くと、こうでした。

  • いつ・何から準備すればよいか分からない:23.4%
  • 子供にいくら残せるか見通しが立たない:22.7%
  • 老後までの支出がどこまで増えるか分からず、計画が立てづらい:19.4%
  • 自分の老後資金が足りなくなりそうで、残す余裕がない:17.7%

「いくら残せるか」と並んで、「自分の老後は大丈夫なのか」が心配されています😟

相続を考えるときこそ、親自身の生活を後回しにしないことが大切です💡まず、これからの生活にどんなお金が必要になりそうかを整理する🧾そのうえで、無理なく暮らした場合に、どのくらい残せそうかを考える。この順番です🔢

考える順番:これからの生活に必要なお金を整理する、無理なく暮らした場合に残せそうな額を考える、そのあとで残すものを考える。まず自分の生活を守る

まず、自分の生活を守る。残せるものは、そのあとで考えれば大丈夫です🌿

準備ができていなくても、家族に話していい

子どもと話しておきたいがまだできていない渡す側(364人)のうち、48.9%が「特に何もしていない」。準備ができてから話す必要はない

何も準備していないと、「今さら家族に話すのもなあ」と感じるかもしれません😅

でも、同じ調査では、子どもと「話しておきたいが、まだできていない」と答えた渡す側(364人)でも、48.9%が「特に何もしていない」でした。話したい気持ちはあっても、準備はこれから、という人が半分近くいます👀

準備ができてから話す必要はありません。「まだ何も決めていないけれど、少し整理してみようか」。そんなところから始めてもいいのです💬

すでに子どもと話している人がしていること

すでに子どもと話している人(56人・複数回答)がしていること:家族での話し合い26.8%、重要書類の整理19.6%、不動産の状況確認19.6%、生前贈与17.9%、相続人の確認17.9%、エンディングノート16.1%、遺言書14.3%、保管場所の共有12.5%。人数が少ないので参考

実際に子どもと具体的に話している人(56人・複数回答)が、どんな準備をしているのかも調査されています。人数が少ないので、あくまで参考として見てください🔍

  • 家族での話し合い:26.8%
  • 重要書類の整理:19.6%
  • 不動産の状況確認:19.6%
  • 生前贈与の検討・実施:17.9%
  • 相続人の確認・整理:17.9%
  • エンディングノートの準備・検討:16.1%
  • 遺言書の準備・検討:14.3%
  • 書類の保管場所を家族で共有:12.5%

「この順番でやりましょう」という話ではありません🙅話し合いまで進んでいる人の中には、こうした準備をしている人もいる、というくらいに受け止めてください📝

遺言書や生前贈与、相続税は、制度や家庭の事情によって変わります。この記事では、やり方までは扱いません。同じ調査でも、渡す側(1,377人)の18.2%が「相続税や手続きが分からない」と答えています。分からないところは、専門家に相談すれば大丈夫です🤝相談先は、2本目の記事で整理しました🗺️

何から始める? この順番で考えてみる

何から始める?この順番で考えてみる:1書類を整理、2置き場所を伝える、3エンディングノートを書く、4老後を見える化、5家族で話す。全員がこの順番で進める必要はない
順番まずやることポイント
1重要書類を整理する何がどこにあるか確かめる
2置き場所を家族に伝える場所だけでも共有する
3エンディングノートを書いてみる家族に伝えたいことを整理する
4老後のお金を見える形にする自分の生活を先に考える
5家族で話す準備の途中でも大丈夫

全員がこの順番で進める必要はありません。今日は書類を整理する。別の日に置き場所を確かめる。そのあとで、家族に伝える。それくらい小さく始めてもいいのです🐢

まとめ

まとめ:何がどこにあるのかを分かるようにする、自分の老後のお金の見通しを持つ、準備できたところから家族に伝える。相続は自分が安心して暮らすための準備でもある

相続の準備は、「子どもにいくら残すか」を決めることから始めなくても大丈夫です🍃まずは、何がどこにあるのかを分かるようにすること。そして、子どもに何を残すかを考える前に、自分の老後のお金の見通しを持つこと。

相続は「残すための準備」だけではありません🔑自分が安心して暮らすための準備でもあります。

3部作の締めくくり

ここまで3回にわたって、「どう話すか」「誰に相談するか」「親の側は何から準備するか」を考えてきました🏁

まず自分の中で少し整理する。必要なら専門家に相談する。そして、準備できたところから家族に伝える。その一歩は、1本目で考えた「相続の話をどう切り出すか」につながっていきます🔗

相続の話は、全部決めてから家族に伝えるものではなく、一緒に考え始めるところからでもいいのです。

あとがき

私の体感ですが、親が相続について「まだ何もしていない」のは、「まだまだ死なないから」と思っているからではないでしょうか。

相続は、自分が死んでからのことです。元気なうちに「死後のことを考えろ!」と言われれば、そりゃムスッともしますし、「早く死ねって言うのか!」と怒る方もいます😤

でも、よく考えてほしいのです。「死」は、いずれ来ます⏳しかも、元気なうちに考えておかないと、記憶が薄れてきたり、物忘れが激しくなったりするかもしれません🧠交通事故で突然……というケースも考えられます⚠️

いろいろなケースが考えられる中で、大事な家族が自分の死後も楽しく過ごせるように、そして自分が文句を言われないように。少しでもいいから、準備はしておいてほしいです🙏

最後に、親にも子どもにも伝えたいことがあります💌

あとがき:親へ(子の立場から)は、いくら残せるかは気にしなくていい、0円でも文句は言わない、借金だけはやめてほしい。子どもへ(親の立場から)は、老後は自分たちで生活できるよう計画中、お金は残せなくても文句は言わないで

親へ(子の立場から)

いくら残せるかは、気にしなくていいです。そりゃ、多く残っているほうがうれしいです。でも、多く残そうとするあまり、切り詰めてボロボロの生活になるくらいなら、0円になっても文句は言いません🙇逆に、借金だけは絶対にやめてほしい!🚫

お金のありか(金融機関)もそうですが、何を、どこで契約しているのかは、どんな形でもいいので、分かりやすくしておいてほしいです📋それが、自分の死後に文句を言われないための、最低限の条件かもしれません📝

子どもへ(親の立場から)

老後は自分たちで生活できるように、今、頑張って計画を実行中です💪何が、どこにあるかも、なるべく分かりやすく残していく予定です📦

だから、お金は何も残せなくても、文句は言わないでぇ〜😂

出典:世代別2,000人のリアル『私たちのお金白書』(レオス・キャピタルワークス作成)第1弾

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