はじめに
SNSを見ていると、「これ、みんなに知らせたほうがいいかも」と思う投稿に出会うことがあります。
災害情報🌀だったり、事件の速報📰だったり、誰かへの注意喚起📢だったり。そして、ポチッと「シェア」📲
便利ですよね😊 自分で文章を書く必要もありません。
……でも、ここに一つ落とし穴があります。🕳️
その情報が間違っていたら? 🤔
自分が最初に投稿したわけではなくても、シェアやリポストをした時点で、あなたも情報を広める側になっています。内容によっては、名誉毀損や業務妨害などが問題になることもあります。
「私は作った人じゃないから大丈夫」とは、単純には言えません。⚠️
こんな人に読んでほしい
- 📲 SNSでニュースや話題をよくシェアする
- 🙈 「誰かが確認しているだろう」と思って拡散することがある
- 🌀 災害時の情報をできるだけ早く広めたい
- 👂 「友達から聞いた」という情報をそのまま回したことがある
ひとつでも当てはまったら、ぜひ読んでみてください。👀
この記事の目的
この記事で覚えてほしいのは、難しい法律の条文ではありません。目標は、この3つです。
- 📣 「シェアすることも情報発信の一部」と知る
- 📰 実際にあった事例から、どこが危ないのかを知る
- ✋ 拡散する前に、一度立ち止まる習慣をつくる
SNSは「見たら終わり」ではなく、シェアした瞬間から、自分も情報の流れに参加する。ここを意識するだけでも、行動はかなり変わります。💡
結論|「シェアしただけ」でも責任を問われることがある
先に結論です。👉
シェアしたからといって、すぐに犯罪になるわけではありません。 でも、広めた内容が人や会社を傷つけるデマだった場合、シェアした人も責任を問われた実例があります。
「自分が作った情報じゃないから大丈夫」と考えるのは危険です。🚨
シェアする前に「この情報、本当に大丈夫?」と確認する。 これが一番シンプルな防御策です。🛡️
ケース1|「動物園からライオンが逃げた!」

2016年の熊本地震の直後、「地震で動物園からライオンが放たれた」という投稿が、街なかを歩くライオンの写真付きでTwitter(現X)に流れました。
投稿は1時間ほどで2万回以上拡散され、動物園には100件を超える問い合わせが殺到📞。職員は電話対応に追われ、地震で被害を受けた施設の点検もスムーズに進められなくなりました。
もちろん、これはデマです。写真は南アフリカで撮られたもので、熊本とは何の関係もありませんでした。📷
投稿した人は、動物園の業務を妨害したとして偽計業務妨害の疑いで逮捕されました。災害時のデマで逮捕者が出たのは、これが初めてといわれています。(最終的には起訴は見送られましたが、逮捕されて取り調べを受けたことに変わりはありません)
災害の直後は、ただでさえ多くの人が不安になっています。停電や断水で、正しい情報も届きにくい。🔦そこへ「猛獣が逃げた」という話が流れれば、信じてしまう人が出ても不思議ではありません。😨
災害時のデマは、ネット上の冗談では済みません。 🦁
ケース2|「助けて!」という偽の救助要請

もっと深刻なのが、災害時の偽の救助要請です。🆘
2024年の能登半島地震のとき、被災者を装って「家族が倒れた建物にはさまれている」という偽の救助要請をXに投稿した人がいました。この投稿を見た警察官らは、本来は必要のない捜索活動をすることになりました。🚓
投稿した人は2024年7月、偽計業務妨害の疑いで逮捕されました。(警察庁「令和7年版 警察白書」)
その後、罰金20万円の略式命令を受けています。「注目されたかった」という趣旨の話をしていたと報じられています。😞
救助に向かう人の数には限りがあります。🚑ウソの救助要請に人手が取られれば、本当に助けを待っている人のところへ行くのが遅れるかもしれません。
だからこそ、「助けて!」という投稿ほど、広める前に一度確認することが大切です。
ケース3|無関係の会社が「加害者の勤務先」にされた

デマが向かう先は、災害だけではありません。🏢
2017年、高速道路のあおり運転による死亡事故が大きく報じられたあと、容疑者と名字が同じだったという理由だけで、まったく無関係の建設会社が「容疑者の勤務先だ」とネット上で決めつけられました。
その書き込みは次々と広まり、会社には抗議や嫌がらせの電話が殺到📞。仕事にも大きな支障が出ました。😣
警察は、デマを書き込むなどした11人を名誉毀損の疑いで書類送検。一度は全員が不起訴になりましたが、市民から選ばれた検察審査会が「起訴すべき」と判断し、その後、一部の人が起訴・略式起訴されています。
「犯人の会社はここらしい」😠
「許せない、拡散して!」📢
書き込んだ人たちの多くは、正義感のつもりだったのかもしれません。でも実際には、何の関係もない会社と、そこで働く人たちを傷つけていました。
ケース4|コメントなしのリポストでも賠償に
「自分は何も書いていない。リポストしただけ」🤷
これで責任を問われるのか、という点が争われた裁判があります。⚖️
ある人が、他人の名誉を傷つける内容の投稿を、自分のコメントを付けずにそのままリツイートしました。これに対して裁判所は、リツイートした人にも名誉毀損が成立するとして、損害賠償の支払いを命じました(2020年・大阪高等裁判所。上告されず確定)。
理由は、リツイートすると元の投稿が自分のフォロワーにもそのまま表示されるから。リツイートした本人が、その内容を広めたのと同じと見られたのです。
「コメントを付けていないから大丈夫」とは言えない、ということです。❗
なぜ「自分が作っていない」のに問題になるの?

少し考えてみましょう。🤔
Aさんが、「○○社は営業を停止したらしい」とウソの情報を投稿したとします。それをBさんが見て、「大変!みんなにも知らせなきゃ」とシェア。さらにCさん、Dさん……と広がっていったら?😰
最初に投稿したのはAさんです。でも、Bさんもその情報を自分のフォロワーに届けています。 被害を受ける側から見れば、Aさんの投稿だけでなく、Bさんのシェアも被害を大きくした原因です。
もちろん、シェアした人がすべて罰せられるわけではありません。 実際に責任を問われるかどうかは、
- 何を広めたのか
- 👤 誰についての情報だったのか
- 💥 どのくらいの被害が出たのか
- 🧠 広めた人が、どう認識していたのか
など、具体的な事情によって判断されます。
だから、「シェアしただけだから大丈夫」とも、「シェアしたら犯罪」とも、一言では言えません。 ただ、ケース3・4のように、広めた側が責任を問われた実例はある、ということは覚えておきましょう。
SNSのデマで問題になる主な法律

代表的なものを、ざっくり整理しておきます。📚
名誉毀損(めいよきそん)罪(刑法230条)
人の社会的な評価を下げる投稿が問題になります。ケース3・4は、この名誉毀損が問われた例です。どんな場合に成り立つのかは、第1回「ネットの悪口で前科がつく!?」でくわしく説明しています。
信用毀損罪・業務妨害罪(刑法233条・234条)
デマの回で特に知っておきたいのが、こちらです。ウソの情報を流したり、人をだましたりして、会社やお店の信用を落としたり、仕事を邪魔したりする行為です。3年以下の拘禁刑、または50万円以下の罰金。 ケース1・2のライオンのデマや偽の救助要請は、ここに当たる「偽計業務妨害」の疑いで逮捕されました。(e-Gov法令検索「刑法」)
※「拘禁刑」は、2025年6月に「懲役」と「禁錮」をひとつにまとめてできた刑です。くわしくは第1回の注釈をご覧ください。
さらに、刑事の罰とは別に、被害を受けた人から損害賠償を求められることもあります。ケース4は、この民事の責任が問われた例です。💴
「いいね」やコメントも危ないの?

ここも整理しておきましょう。🧐
「いいね」を押しただけで、シェアとまったく同じ責任が生じる、という単純な話ではありません。👍
ただ、「いいね」が問題になった裁判もあります。 ある人を中傷する投稿に、影響力のある立場の人が25回にわたって「いいね」を押したことについて、裁判所は「相手の名誉感情を傷つける不法行為にあたる」として、賠償を命じました(2022年・東京高等裁判所。2024年に最高裁で確定)。
この裁判では、「いいね」の回数の多さや、押した人の影響力なども考慮されています。1回押したら即アウト、という意味ではありません。 でも、「いいねは何をしても自由」でもない、ということです。
そして、コメントを付けて広める、引用して紹介する、自分の投稿として書き直す……となれば、自分で発信したのとほぼ同じと考えておいたほうが安全です。
SNSのボタン、見た目は小さい。でも、その先にいる人は小さくありません👆
シェアする前の「5つのチェック」

では、実際にどうすればいいのでしょうか。🤔シェアする前に、次の5つを確認してみましょう。
👤 ① 誰が発信している?
自治体、警察、消防、官公庁、企業、報道機関、当事者など、確認できる発信元でしょうか? 「友達の友達が言っていた」は、情報源としてはかなり遠いです。🙅
📅 ② いつの情報?
SNSでは、古い情報が「最新情報」のように再び流れてくることがあります。「今日のニュース?」と思ったら、投稿日を確認。📆古い情報の再放送ということもあります。
🔍 ③ 元の情報を確認できる?
「○○によると」と書いてあるなら、その「○○」まで確認してみましょう。元記事があるなら元記事を、公式発表があるなら公式発表を見る。誰かの投稿だけを根拠にしないことがポイントです。☝️
📷 ④ 写真や動画は本当にその出来事?
写真や動画が付いていると、「証拠がある!」と思ってしまいます。でも、写真があることと、その写真が今回の出来事を写していることは別です。 ライオンの写真が、まさにそうでした。🦁
⚠️ ⑤ 間違っていたら、誰が困る?
最後はこれ。企業? 個人? 被災者? 救助する人? それとも、自分自身? 「かなり困る人がいそう」と思ったら、急いでシェアする必要はありません。🐢
急いでいるときは、①誰が言っている? ②いつの情報? ⑤間違っていたら誰が困る? の3つだけでも十分です。この数秒を入れるだけで、「勢いでシェア」をかなり減らせます。✨
災害時は「速さ」より「確かさ」

災害が起きると、「早くみんなに知らせなきゃ!」という気持ちになります。その気持ちは自然なものです。🙂
でも、災害時は情報が混乱しやすく、偽の情報が救助の妨げになることもあります。ケース1・2で見たとおりです。📌
特に、避難情報、救助要請、行方不明者の情報、交通情報、お店や施設の営業情報などは、自治体・警察・消防などの公式情報を優先しましょう。
「早く広める」より「確認してから広める」。 災害時ほど、これが大切です。🙏
確認できないなら、シェアしない
ここは、覚えやすくしておきましょう。✏️
確認できない情報は、広めない。
迷ったときは、「このシェアの理由を、公式の発表で説明できる?」と自分に聞いてみてください。説明できないなら、まだ広める段階ではありません。🛑
情報を広めなかったことで、誰かに怒られることはほとんどありません。🙆でも、間違った情報は、あとで投稿を消しても、すでに見た人や保存された画面までは取り消せません。
まとめ|「広める前に、ひと呼吸」
SNSは、誰でも情報を広められる便利な道具です。だからこそ、シェアする人にも「確認する」という役割があります。
今回覚えておきたいのは、この3つ。👇
- ⚖️ 「シェアしただけ」「いいねしただけ」でも、責任を問われた実例がある
- 🆘 災害時のデマは、救助の妨げになり、逮捕されることもある
- ✅ シェア前に「誰が・いつ・間違っていたら誰が困る?」を確認する
そして、もうひとつ。確認できない情報は、無理に広めなくていい。
「みんなに知らせなきゃ」と思ったときほど、ひと呼吸🍵 SNSでは、その数秒がけっこう大事です。

あとがき|「拡散=善意」とは限らない
私のSNSとの距離感
実は私、打たれ弱いタイプです。なので、ネットではほぼROM専(見るだけ)。自分から投稿したり、「いいね」を押したりすることも少なく、ニュースを静かに眺めていることが多いです。📰
……まあ、静かに見ているだけなら、炎上もしません。たぶん😂
拡散する人は「悪意のある人」だけじゃない
以前は、「デマを広める人って、面白がっている人なんじゃない?」と思っていました。🤔
でも、調べていくと、それだけではありません。🔍「誰かに知らせなきゃ」「この人を助けたい」「こんなやつは許せない」。そんな正義感から情報を広める人も多いのです。ケース3の書き込みも、きっとそうだったのだと思います。
だから難しい。😔正義感が強い人ほど、デマの拡散に巻き込まれやすいのかもしれません。
フェイクを見抜くのが難しい時代
今は、画像の加工、音声の合成、動画の編集、そしてAIによる画像・動画の生成など、情報を作り変える技術が身近になっています。🤖
「これは本物?」と迷うのは、珍しいことではありません。😵だからこそ、「見た瞬間に信じる」より「元を確認する」という習慣が大切になります。
シェアする前に、ちょっとだけ止まる
SNSを使わないという選択をする必要はありません。📱ニュースをシェアすることが、誰かの役に立つこともあります。🤝
ただ、ボタンを押す前に、ほんの数秒だけ立ち止まる。⏸️
「広める」だけでなく、「確認する」こともSNSの使い方。 そんな感覚を持っておきたいですね🌱

