はじめに
「特殊詐欺」と聞くと、「オレオレ詐欺のことでしょ?」と思う方もいるかもしれません
でも、最近の特殊詐欺は、以前よりずっと手が込んでいます。
電話をかけてくるのは、1人とは限りません。電話会社を名乗る人が出てきたと思ったら、次は警察官。さらに銀行員や職員を名乗る人まで登場します。
まるでひとつの「劇」のように話が進んでいくことから、こうした手口は「劇場型」と呼ばれます🎭
しかも今は、ビデオ通話で制服姿を見せたり、偽の警察手帳の画像を送ってきたりと、見た目だけでは見分けにくい手口も確認されています
「自分は大丈夫」と思っている人ほど、一度知っておいてほしい詐欺です⚠️
こんな人に読んでほしい
- 👴 特殊詐欺は、高齢者だけの問題だと思っている
- ☎️ 警察官や銀行員から電話が来たら、とりあえず信用してしまいそう
- 📱 ビデオ通話なら、相手の顔で本物か確かめられると思っている
- 🤖 AIを使った「なりすまし」が気になっている
- 👨👩👧 家族にも詐欺の手口を伝えておきたい
この記事の目的
この記事では、「劇場型特殊詐欺」がどんな流れで進み、どんな心理をついてくるのかを知ってもらいます
大切なのは、「見抜く力」だけに頼らないこと。
怪しい電話が来たときに、「その場で判断しない」という行動を身につけることです
結論

劇場型特殊詐欺で覚えておきたいのは、この3つです。
- 👉 警察官や銀行員を名乗られても、その場で信用しない
- 👉 声・顔・制服・警察手帳の画像だけで、本物と判断しない
- 👉 いったん電話を切り、自分で確認する
「本物っぽいから信じる」ではなく、「本物かどうか、自分から確認する」。これが大切です
劇場型特殊詐欺とは?

これまでの「オレオレ詐欺」は、息子や孫など家族のふりをして、お金を要求する手口が代表的でした。
いま特に目立っているのが、警察官などを名乗り、「捜査のため」と言ってお金をだまし取る「ニセ警察詐欺」です
警察庁によると、2025年のニセ警察詐欺は11,014件、被害額は1,005.0億円。特殊詐欺全体の件数の約4割、被害額では約7割を占めました😱(警察庁)
よくある流れは、こんなイメージです。
- 📞 電話会社などを名乗る人から、「あなたの携帯電話が不正に契約されています」
- 👮 警察官を名乗る人に交代し、「あなたの口座が犯罪に使われています」
- 🪪 偽の警察手帳や逮捕状の画像を見せられる
- 💴 「資産を守るため」と、お金を移すよう指示される
- 💸 現金などをだまし取られる
登場人物が変わるたびに、話が本当らしく見えてくる。ここが「劇場型」の怖いところです😰
「本物っぽい」が、いちばんの落とし穴

最近は、ビデオ通話で警察官の制服姿を見せたり、警察手帳や逮捕状のような画像を見せたりする手口が確認されています(警察庁)
さらに、AIを使った「なりすまし」も見過ごせません。警察庁は、SNSに公開された写真やAIなどを使えば、誰でも簡単に他人になりすますことができ、本人の音声や動画まで作れてしまうと注意を呼びかけています。(警察庁)
だから、「顔が見えたから大丈夫」「声が本人そっくりだったから大丈夫」とは言い切れません
目と耳だけで、本人確認を終わらせない。 これが、これからの詐欺対策の基本です👀
怪しい電話やビデオ通話が来たら、次の順番に切り替えましょう。
- ✂️ いったん切る
- 🔎 自分で公式の連絡先を調べる
- 📲 こちらからかけ直して確認する
データで見る特殊詐欺

特殊詐欺全体の被害は、2024年から2025年にかけて大きく増えました📈
| 項目 | 2024年 | 2025年 |
|---|---|---|
| 認知件数 | 21,043件 | 27,832件 |
| 被害額 | 718.8億円 | 1,423.1億円 |
| 被害者に占める65歳以上の割合 | 65.4% | 51.3% |
件数は約3割増え、被害額は前年のほぼ2倍になりました(警察庁)
ここで気をつけたいのが、65歳以上の割合が下がっていることです
「高齢者の被害は減ったのかな?」と思いそうですが、そうではありません。65歳以上の被害は14,273件で、前年より増えています。 それ以上に、20代・30代など若い世代の被害が大きく増えたため、割合が下がって見えるのです
特にニセ警察詐欺では、2025年の被害件数は30代がいちばん多く、次が20代でした(警察庁)
「特殊詐欺=高齢者の話」というイメージは、そろそろ見直したほうがよさそうです

劇場型詐欺が使う心理テクニック
劇場型詐欺は、いきなり「お金をください」とは言いません。人が落ち着いて考えられなくなる状況を、少しずつ作ってきます
| 心理テクニック | 劇場型詐欺での使われ方 |
|---|---|
| ① 急がせる | 「今日中に手続きしないと逮捕される」などと言い、考える時間を与えない |
| ② 権威を借りる | 警察手帳や制服、逮捕状のような画像を見せて、「本物の捜査なんだ」と思わせる |
| ③ 何人もでリレーする | 電話会社役、警察官役などが次々に出てきて、「ここまで大がかりなら本当かも」と思わせる |
| ④ ひとりきりにさせる | 「捜査の内容は誰にも話してはいけない」と口止めし、家族や友人に相談させない |
警察庁も、ニセ警察詐欺でこうした口止めが行われた例を紹介しています🤫(警察庁)
劇場型詐欺を見分けるチェックリスト
一番覚えておきたいのは、「その場で判断しない」ことです
- ☑️ 「警察」「検察」「銀行」などの名前が出ても、すぐに信用しない
- ☑️ 電話やビデオ通話で見せられた顔・声・制服・警察手帳だけで判断しない
- ☑️ 「資産を守るため」「口座を調べるため」と言われても、お金を移さない
- ☑️ 怪しいと感じたら、いったん電話や通話を切る
- ☑️ 相手が教えた番号ではなく、自分で調べた公式の連絡先に問い合わせる
- ☑️ 家族で「困ったときは、まず電話を切る」というルールを決めておく
- ☑️ 「誰にも話してはいけない」「一人で対応して」と言われたら、特に注意する
- ☑️ 画面に実在の警察署の番号が表示されても、それだけで本物だと判断しない
実際に、実在する警察の代表電話番号を偽って表示させる手口も確認されています。「表示された番号が本物だったから大丈夫」とは限りません(警察庁)
そして警察庁は、本物の警察官は、電話で「捜査の対象になっている」と伝えたり、メッセージアプリで連絡したり、警察手帳や逮捕状の画像を送ったり、個人のスマートフォンに突然ビデオ通話をかけたりすることはないと注意を呼びかけています(警察庁)

困ったときは、一人で判断しない
詐欺かもしれないと思ったら、「こんなことで相談していいのかな……」と遠慮しなくて大丈夫です😊
電話を切って、家族や身近な人に相談しましょう
- 🚓 警察に相談したいとき → 警察相談専用電話 #9110
- 🧾 お金の契約や支払いのトラブル → 消費者ホットライン 188
詐欺の相手は、こちらに「考える時間」を与えたくありません。だからこそ、電話を切ること自体が、立派な対策になります。
まとめ

劇場型特殊詐欺は、何人もの登場人物や本物らしい画像、ビデオ通話などを組み合わせて、相手を信じ込ませようとします
さらにAIなどの技術で、「見た目」や「声」だけでは見分けにくい時代になっています
だから、全部を見抜こうとしなくても大丈夫
覚えておきたいのは、「その場で決めない」。これだけでも、十分大きな一歩です
- 📴 電話を切る
- 🗣️ 誰かに相談する
- 🔎 自分で公式の連絡先を確認する
この3つを、ぜひ覚えておいてください🌱
あとがき|親子で調べて分かったこと
この記事は、もともと子どもと一緒に、夏休みの自由研究として調べたことがもとになっています
詐欺のニュースを見ると、「どうしてこんなの信じちゃうんだろう?」と思うことがあります。でも調べてみると、「信じやすい人」だけが狙われているわけではありませんでした
急がされる。不安にさせられる。警察官らしい人が次々に出てくる。そこに本物らしい画像や映像まで加わる。こうなると、誰でも迷ってしまいます
いちばん意外だったのは、ニセ警察詐欺の被害件数が、30代でいちばん多かったことです😳 「おじいちゃん、おばあちゃんが気をつける話」だと思っていたのが、「自分たちの話」に変わりました。
だからこそ、詐欺の手口を「自分には関係ない話」で終わらせず、「こういう流れで来るんだな」と知っておくことが大切だと思います
この記事が、ご家族で「こんな電話が来たら、どうする?」と話すきっかけになればうれしいです
技術が進めば、詐欺のやり方も変わっていきます。でも、この基本は、これからも変わりません
- ✋ いったん止まる
- 🗣️ 誰かに相談する
- 🔎 自分で確認する

