はじめに
SNSで知り合った人と、毎日のようにメッセージをする。趣味の話をしたり、仕事の話をしたり。少しずつ仲良くなって、「この人、信頼できそうだな」と思うこともあるかもしれません📱
ところが、しばらくすると、こんな話が出てくることがあります。
- 💬 「実は投資に詳しくて……」
- 💍 「二人の将来のために、お金を増やそう」
- 🙏 「ちょっとだけ立て替えてもらえないかな?」
今回取り上げるのは、SNSなどで築いた信頼関係や恋愛感情を利用して、お金をだまし取る「SNS型投資詐欺」と「SNS型ロマンス詐欺」です⚠️
ポイントは、「仲良くなったこと」と「お金を渡していいこと」は別ということ。ここを覚えておきましょう。
こんな人に読んでほしい
- 💬 SNSで知らない人とやり取りすることがある
- 📈 投資に興味がある
- 📢 SNSの投資広告が気になったことがある
- 💞 マッチングアプリなどで知り合った人と交流している
- 👨👩👧 家族にも、この手口を知っておいてほしい
この記事の目的
SNS型投資詐欺やロマンス詐欺は、いきなり大金を要求するとは限りません。まず仲良くなる。少しだけお金を出してもらう。「本当に利益が出た」と思わせる。そして、少しずつ要求を大きくする🪜
この流れを知っておくだけでも、「なんだか話がおかしくなってきたぞ」と立ち止まりやすくなります。この記事では、どんな流れでお金を要求されるのか、どんな心理を利用されるのかを見ていきます🔍
結論
一番覚えておいてほしいのは、SNSで知り合った相手から、お金や投資の話が出てきたら、一度立ち止まる。これです✋
どれだけ長くやり取りしていても、どれだけ親切にしてもらっていても、「だから、この投資は安全」とは限りません。
特に、次のような言葉が出てきたら要注意です。
- 🚨 「必ずもうかる」「確実に利益が出る」
- 🤫 「あなただけに教える」
- 💍 「二人の将来のため」
- 💸 「出金するには、先に手数料が必要」
警察庁も、SNS型投資詐欺では「必ずもうかります」「あなただけに教える」といった言葉に注意するよう呼びかけています。(警察庁)

SNS型投資詐欺・ロマンス詐欺って?
警察庁の定義では、どちらも「SNSなどで、会わないままやり取りを重ねて信用させ、お金をだまし取る詐欺」です。
- SNS型投資詐欺:投資のお金や、「利益を引き出すための手数料」などの名目でだまし取る
- SNS型ロマンス詐欺:恋愛感情や親近感を持たせて、お金をだまし取る
(警察庁)
どちらにも共通しているのが、時間をかけて信頼させるところです⏳ 電話一本で「はい、お金をください!」という話ではありません。何週間、何か月とやり取りを続けながら、少しずつ距離を縮めてきます。ここが、昔ながらの「いかにも怪しい詐欺」と違うところです。
SNS型投資詐欺は、どうやってお金を出させるの?
SNS型投資詐欺では、最初から大きなお金を要求するとは限りません。警察庁が紹介している流れは、こうです👇
① 広告やメッセージで近づく
SNSの投資広告や、直接届くメッセージから始まり、別のメッセージアプリのやり取りやグループに誘われます
② 「もうかっている人」を見せる
グループの中で、ほかの参加者(実は仲間=サクラ)が「利益が出た」と投稿し、信用させます🎭
③ 少しだけ出金させる
偽の画面に利益を表示し、その一部を少額だけ実際に振り込んで、「本当にもうかった!」と思わせます
④ 出金しようとすると、お金を要求される
画面には大きな利益が表示されているのに、全額を引き出そうとすると「手数料が必要」「税金が必要」などと言われ、さらに入金を求められます😰
⑤ 最後には連絡が取れなくなる
(警察庁)
つまり、画面に表示されている「利益」と、実際のお金は別物かもしれないということです。スマホ画面の数字は、残念ながら「お金の妖精」が増やしてくれた証明ではありません🧚

「ポンジ・スキーム」って何?
投資詐欺を知るうえで、覚えておきたい言葉のひとつが「ポンジ・スキーム」です📚
これは、実際には運用で利益を生んでいないのに、後から集めたお金を先に参加した人への支払いに回し、「ちゃんと利益が出ている」ように見せる仕組みです。最初のうちは「本当にもうかった!」と思わせることができますが、新しいお金が入ってこなくなると、すぐに行き詰まります🕳️
「利益が出ているように見える」ことと、「本当に投資で利益が生まれている」ことは別。 ここは、ぜひ覚えておきたいポイントです💡
ロマンス詐欺では、なぜお金を払ってしまうの?
ロマンス詐欺では、恋愛感情や親近感が利用されます。最初から「お金を送って!」とは言いません。警察庁が紹介している流れは、こうです👇
① 会わないまま、やり取りを続ける
SNSやマッチングアプリで知り合い、直接会うことなく、毎日のようにやり取りを続けます
② 恋愛感情や親近感を持たせる
③ お金の話を持ち出す
「二人の将来のために投資を」「あなたと結婚するためにお金が必要」などと言ってきます💍
④ 出金しようとすると、さらに送金を求められる
初めは利益が出たように見せかけますが、出金しようとすると、さらにお金を求められます。
お金を求める理由は、投資だけではありません。結婚の費用、仕事の立て替え、「会いたいから旅費を送って」、「荷物を送るから手数料を払って」など、さまざまです✈️ 被害が約1億5,000万円にのぼった例もあります😱(警察庁)

「ここまで払ったから」が危ない理由
一度お金を払ってしまうと、「ここまで払ったんだから、もう少し払えば戻ってくるかも」と思ってしまうことがあります。これが、被害を大きくしてしまう原因のひとつです🌀
人には、
- 小さなお願いを受け入れたあとは、大きなお願いも受け入れやすくなる
- すでに使ったお金をむだにしたくなくて、やめにくくなる
という心理があると言われています。
「最初は少額だったから大丈夫」とは限りません。 むしろ、その最初の小さな要求が、その後の大きな要求につながっていきます⚠️
どこから誘われるの?
| 誘われる入口 | よくある誘い文句 |
|---|---|
| SNSの投資広告(著名人になりすましたものも) | 「私の投資グループに入れば、もうかる」 |
| SNSやマッチングアプリで直接届くメッセージ | 「投資について教えたい」 |
| 投資グループへの招待 | 「今だけ限定」「もう利益を出している人がいる」 |
警察庁によると、SNS型投資詐欺の最初の入口は、広告とダイレクトメッセージが中心です。広告の中には、著名人の画像や動画を無断で使ったものや、「必ずもうかる」「元本保証」といった言葉を入れたものも見られました。ロマンス詐欺の入口は、マッチングアプリがいちばん多くなっています。(警察庁)
「著名人が言っているなら安心」「みんなが参加しているなら大丈夫」とは限りません。そもそも、その人や広告が本物なのか。そこから確かめる必要があります🔎
データで見る被害状況

2025年のSNS型投資詐欺・ロマンス詐欺の被害額は、合わせて約1,834億円。前年より4割以上増えました📈(警察庁)
| 項目 | 2024年 | 2025年 |
|---|---|---|
| SNS型投資詐欺の被害額 | 871.1億円 | 1,288.0億円 |
| SNS型ロマンス詐欺の被害額 | 400.9億円 | 546.4億円 |
被害に遭った1件あたりの金額は、平均で約1,213万円。1日あたりにすると、約5億円もの被害が出ている計算です😨
どんな人が狙われる?

SNS型投資詐欺やロマンス詐欺は、「高齢者だけ」「投資に詳しくない人だけ」の話ではありません。
警察庁によると、どちらの詐欺も、被害者は幅広い年代に及びつつ、40代から60代が多数を占めています。また、どちらも男性が約6割です。(警察庁)
投資経験が少ない人、資産を増やしたい人、人とのつながりを求めている人。相手の状況に合わせて、言葉を変えて近づいてきます🎯 大切なのは、「自分は大丈夫」と決めつけないこと。 そして、だまされた人を責めないことです🤝
この詐欺で使われる心理テクニック
| 心理テクニック | 使われ方 |
|---|---|
| ① 時間をかけて信頼させる | 毎日のように連絡を取り、「この人が詐欺をするわけがない」と思わせる |
| ② 小さな成功体験を作る | 最初に少しだけ出金させ、「大丈夫だった」という気持ちを作る |
| ③ 小さなお願いから大きくする | 少額から始めて、だんだん金額を上げていき、断りにくくする |
| ④ 「今だけ」「あなただけ」 | 特別扱いをして、考える時間を奪う |
| ⑤ 気持ちを利用する | 「お金を増やしたい」「相手を助けたい」「一緒に将来を作りたい」という自然な気持ちにつけ込む |
どれも、人がふつうに持っている気持ちを利用しています。だからこそ、「信じた自分が悪い」と考える必要はありません。 大切なのは、途中で「あれ?」と思ったときに立ち止まれることです🌱

SNS型投資詐欺・ロマンス詐欺を見分けるチェックリスト
次のうち、ひとつでも当てはまったら要注意です👇
- ☑️ 会ったことのない相手から、投資の話が出てきた
- ☑️ 「必ずもうかる」「元本保証」と言われた
- ☑️ 画面では利益が出ているのに、引き出すために「手数料」「税金」「保証金」を求められた
- ☑️ 振込先に、個人の名前の口座を指定された。振込先が毎回変わる
- ☑️ 最初は少額だったのに、だんだん要求額が大きくなってきた
- ☑️ 会ったことのない相手から、結婚の費用・旅費・荷物の手数料などを求められた
- ☑️ 「ここまで払ったのだから」と、追加で払うことを考えている
警察庁と金融庁も、振込先に個人名義の口座を指定されたら詐欺を疑うよう呼びかけています。(警察庁、金融庁)
当てはまったら、いったん送金を止めて、第三者に相談しましょう。 「あと少し払えば取り戻せるかも」というときほど、いったんストップです🛑
困ったときの相談先
お金を送る前でも、「これって詐欺かもしれない」と思った段階で相談してかまいません😊
- ☎️ 警察相談専用電話 #9110
- 📞 消費者ホットライン 188
(警察庁)
まとめ
SNS型投資詐欺やロマンス詐欺で怖いのは、最初から「詐欺です!」という顔で近づいてこないこと。 少しずつ仲良くなって、「この人なら大丈夫」と思わせてから、お金の話が出てきます🎭
- 📈 投資の場合:少額 → 利益が出たように見える → 追加の入金 → 出金できない → さらに入金を要求
- 💞 ロマンス詐欺の場合:親しくなる → お金の話 → 要求が大きくなる → 出金や緊急事態を理由に、さらに送金
覚えておきたいのは、「仲良くなったこと」と「お金を渡していいこと」は別ということです。「必ずもうかる」「元本保証」「出金するには先にお金が必要」。このあたりの言葉が出てきたら、一度立ち止まりましょう✋

あとがき
この記事は、もともと親子で夏休みの自由研究として、詐欺について調べてまとめたものです📚
親子で調べてみて、特に印象に残ったのは、「詐欺師は、お金だけを狙っているわけではないんだな」ということでした。投資詐欺なら「お金を増やしたい」という気持ち。ロマンス詐欺なら「誰かとつながっていたい」「相手を助けたい」という気持ち。人がふつうに持っている感情を利用してくるからこそ、「怪しい人を見抜けばいい」とは言えません🤔
SNSで長くやり取りしていると、「こんなに話してきたんだから、この人は大丈夫」と思ってしまうのも無理のないことだと思います。
実は私も、投資グループを眺めていました
実は私のところにも、数年前はメッセージアプリの投資グループへの案内がよく届いていました📩 ふだんはすぐに削除して退会していたのですが、「どんな手口なんだろう?」と気になって、2〜3個のグループをしばらく放置して眺めてみたことがあります👀
すると、どのグループも流れはそっくりでした。
まず「先生」が登場して、過去に大きく値上がりした銘柄のチャートを見せます📈 すかさず「すご〜い、先生!」「先生のおかげでもうかりました」の声。先生が「以前教えた情報を使えば、これくらい分かりますよ」と言えば、「あの情報、本当に助かりました」。そこへ別の参加者が「えっ!そんな情報があるんですか?教えてほしいです」。最後に先生が「ほかの銘柄の情報は、こちらのグループでしっかり教えますよ」。
まるで台本があるかのような、見事な連携プレーでした🎬
正直、「これでよく引っかかるなぁ」と思いました。でもそれは、私が外から冷静に眺めていたからかもしれません。毎日やり取りをして、相手を信じ始めている状態だったら、同じ画面でもまったく違って見えるはずです😌

信頼することと、お金を渡すことは別
だからこそ、親として大切だと感じたのは、信頼することと、お金を渡すことを分けて考えることでした。どれだけ親しくなっても、お金の話になったら、いったん別の問題として考える。これなら覚えやすいですよね💡
投資についても同じです。「もうかりそうだから」ではなく、「これは誰が、どんな仕組みで運用しているんだろう?」と一度立ち止まる。分からなければ、自分だけで決めない🧭
投資には、必ずリスクがあります。「リスクが低いのに、大きくもうかる」という話はありません。くわしくは「リスクとリターンの基本」でも書いています。
全部の詐欺を覚える必要はありません。まずは、「SNSで仲良くなった人から、お金の話が出たら一度ストップ」。これを覚えておくだけでも、十分だと思います🌈

